ニホンジカの岡山県内生息数の調査結果発表 4年連続増加傾向

自然
         

 岡山県がまとめた調査結果によると、ニホンジカの県内生息数は2018年度末時点で約8万9000頭と推定された。統計を取り始めた11年度以降最多で、4年連続増。増え幅は縮小したものの目標の適正数にはほど遠く、農林被害抑制に向けた狩猟の担い手育成が課題となっている。
 生息数は、捕獲や目撃の頻度、一定エリアのふん塊の数から推計し、8万6960〜9万800頭の範囲、中央値が8万8780頭。増加率は前年度比1.5%で、17年度(同2.7%)より縮小し、11度以降最小となった。生息範囲は美作、備前市などの県東部のほか、津山、真庭市など北西部で広がっているという。
 県はシカの管理計画として、23年度末までに生息数を11年度比半減の3万1800頭にする目標を設定。狩猟期間の延長や捕獲用わなの規制緩和などを実施してきたが、捕獲数は15年の1万4799頭をピークに伸び悩み、18年は1万1536頭にとどまっている。県下のシカによる農林被害額はイノシシに次いで多く、18年度は3529万円で前年度比13・4%増。
 捕獲強化策として19年度から、専門家による技術指導を推進中。わな猟免許取得者でも仕掛けていなかったり、自身の農地周辺にしか設置していない人らを対象に、各地域に応じた現地実習をこれまで津山、真庭市、鏡野町など6市町村内で実施し、計約50人が参加している。
 県鳥獣害対策室は「生息数の増加は歯止めがかかりつつある。今後も狩猟の担い手育成により捕獲数を増やし、防護柵設置と両輪で被害抑制につなげていく」としている。
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個体数が増え続けていている二ホンジカ=県提供


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