新型コロナウイルスの感染拡大により大きな影響を受けている岡山県津山市内の旅館で、手作りの持ち帰り弁当に活路を見出そうという動きが広がっている。割烹(かっぽう)旅館ならではの味をふんだんに盛り付け、それぞれに趣向を凝らした充実の内容。ワンコインランチとして価格も低めに抑えるなど知恵を絞り、逆風に立ち向かう。
津山旅館組合によると弁当を手がけるのは、おやど文の家(上河原)、あけぼの旅館(戸川町)、割烹宇ら島(西寺町)、旅館お多福(山下)の4旅館。3月以降、宿泊や宴会のキャンセルが相次ぎ、県知事からの営業自粛要請も受けて宿泊客の受け入れを停止している。
苦境に立たされる中、自慢の料理を多彩に盛り込んだ持ち帰り弁当の販売をスタート。「気軽でおいしい」「家で会席料理の味が楽しめる」と、予定数を完売するなど人気を集めている。4旅館はフェイスブックなどのSNSで販売日といった情報を共有。連携しながら積極的にPRに取り組む。
吉間俊典組合長(52)は「厳しい局面だからこそ皆で協力し合い、できる限りの力を出して乗り切っていきたい」と話している。
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宿泊や宴会がなくなり、しばらく使われていない旅館の客室