家具・建具メーカーの佐田建美(岡山県真庭市下方)は、第54回全国建具展示会(全国建具組合連合会主催、9月24〜26日、新潟市)に出品する組子細工を制作した。真庭産のスギやヒノキなどを使って日本古来の文様などを表現した12枚の美術作品を完成させた。
全国各地の300点以上の建具が審査される一大展示会。佐田建美はこれまでに30回ほど参加したが、意匠を凝らした作品が最も出品される「伝統的な技術を最高に駆使した工芸的木製建具」の部門(第1部)に初めて挑戦する。
12枚を並べた縦3・1㍍、横6㍍の作品で、名称は「百花繚乱・真庭」。日本で古くから縁起が良いとされる菱や扇、亀甲、鱗といった文様、金魚や竜の落とし子、鯨などの生き物の絵柄を、数十万個に及ぶという木片を使って表現した。染色をせず、木本来の色の違いを生かして描いている。佐田時信社長を含め、組子細工の技術をもつ熟練社員ら4人で2年がかりで制作したという。
展示会は新型コロナウイルス禍で昨年延期されており、2年ぶりの開催。佐田社長は「時間が十分あったからこそ挑戦できた。組子細工の美術工芸品としての価値とともに、真庭の魅力を売り込みたい」としている。
12枚の作品は、展示会終了後、商品として1枚200万円ほどの価格で販売することを検討している。
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佐田建美が全国建具展示会に出品する組子細工の美術作品
建具メーカー組子細工制作 全国建具展示会に出品