津山さくらまつり実行委は、まつり期間中(3月28日〜12日)の津山城(鶴山公園)の入園者数をまとめた。新型コロナウイルス感染拡大の影響で花見の自粛ムードが広がったことから、過去最少の2万9872人と例年の3割程度にとどまった。
新型コロナウイルスへの対応として、ステージやグルメなど集客イベントを全て中止し、大幅に規模を縮小して開いた。四分咲きの見ごろで迎えた初日は雨の影響もあり868人、五分咲きの翌29日は3526人と、にぎわいはなく静かな花見シーズンに。満開となった土日は4日が期間中最多の5915人、5日が5373人で、合わせて1万1288人が入園。例年だと約4万人が訪れるピーク時の土日に比べ、4分の1程度に割り込んだ。
特に、7都府県を対象にした「緊急事態宣言」が発令された7日以降は著しく減少し、満開が続いた8日は924人だった。期間中、ツアーなどのバスはほぼ入って来ず、津山観光センターの売店の売り上げも例年の4割程度にとどまった。
実行委はウイルス感染拡大防止のため、入場口とトイレなどにアルコール消毒液を設置。備中櫓(やぐら)と鶴山館は屋内施設にあたるため閉鎖した。シートを敷いての宴会など長時間滞在の自粛を呼びかけ、トラブルはなかったという。
これまでの最少は悪天候が続いた2015年の6万2561人で、今回はそれを大きく下回った。市観光協会では「昨年のまつりで9年ぶりに10万人を突破し、年間入場者数も6年ぶりに17万人を超えて好調だっただけに非常に残念。しかし、感染防止対策と態勢を整えて安心・安全を確保し、桜もしっかりと咲いてくれたので訪れた人には楽しんでもらえたと思う」。今後に向けては「コロナからの回復期を見据えた準備を進め、対応していきたい」としている。
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桜は満開になるも、新型コロナウイルスの影響で入場者が大きく減少した津山城=5日