津山市城東地域に拠点を置く民間のまちづくり団体・津山街デザイン創造研究所が、地域の事業者や交通事業者をまとめ上げて作成した、城東地区を計画地域として観光地再生に向けた事業プランが、観光庁の「地域一体となった観光地の再生・観光サービスの高付加価値化事業」に採択された。原則半額補助の支援を受け、城東地域の既存施設を改修するなどして4宿泊施設をはじめミニシアターなど計8の施設ができる。観光客に周遊してもらうための環境を整え、アフターコロナを見据えた賑わい創出を目指す。
民間任意団体としては全国で初めて、昨年の「津山国際環境映画祭」に続き、2年連続で観光庁公募事業に採択された。総事業費は約1億5000万円で、補助総額は約8000万円を見込んでいる。本申請採択を経て、今年10月に事業をスタート、来年2月末までに完了する見通しだ。
事業コンセプトは「時代を超えてアーカイブされている『生きている城下町美都津山』。重要伝統的建造物群保存地区城東地域そのものに泊まる分散型宿泊エリア創造プロジェクト」。
町屋を改修した「迎賓館」としての位置づけのホテル、ゲストハウス、茶室付きホテル、学生向けの長期滞在型の宿泊施設のほか、津山初の武道体験もできるミニシアター、ギャラリー&インフォメーション、そば打ち体験施設を開設し、「178津山ファンクラブルーム」がある福田屋小路を小路活用先導エリアとした小路の駐車場改修を行う。施設運営はリストワールインターナショナル、ありき、西野総業、和田デザイン事務所が参画する。
また両備ホールディングス、勝田交通、真賀観光と共同で、岡山空港や岡山、倉敷、真庭市などからの城東を宿泊拠点とした近隣地域を周回するバスツアーを企画する。
サステイナブルツーリズム総合研究所、地域公共交通総合研究所、和田デザイン事務所、下山設計などの協力で事業を推進する。
山本昇所長(63)は「旧美作国は1300年以上の歴史と文化を誇る。そんな空気に浸りたい方に城東を拠点に回遊していただくことがこのサステイナブルツーリズムの目的。欧州的バカンスに学び、長期滞在して楽しい、観光して楽しい、新たな発見を見出す日本の最先端モデル地域を目指している。城東が生まれ変わる画期的なチャンス。地元住民の皆さん、津山市、観光協会などとしっかり連携していきたい」と話している。
観光庁「地域一体とー」事業は、全国で138件が採択され、県内では津山街デザイン創造研究所のほか美作市、真庭観光局が選ばれている。
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観光庁事業に採択された、津山街デザイン創造研究所が提案する「観光地としての城東地区再生」に向けた事業プラン
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