電線に並ぶ”ツバメの音符”。燕(えん)尾もくっきり。南国へ渡る途中の羽休めだろう。旅立つ姿に季節の移ろいが重なる。
春風にのって3月末ごろやってきたツバメは、人家に営巣してせっせと子育て。夏場にかけてすくすく成長し、巣からこぼれ落ちそうなほどに大きくなった雛たちは巣立ちを迎え、大空を自由に羽ばたいてさえずりを響かせた。
周辺では黄金色に染まった稲穂が頭(こうべ)を垂れ、刈り取りが本格化している。豊かな実りを見届けて秋空へと一斉に飛び立った。また来年の春に―。