高田小学校=岡山県津山市=で、5年生が授業の一環で育てているトロロアオイの花が見ごろを迎え、子どもたちは咲きそろう淡く黄色い大輪をめで、楽しんでいる。
同校は地域の伝統工芸品・横野和紙(県指定郷土伝統的工芸品)について学びを深めており、5年生14人は和紙の制作過程で欠かせない材料・トロロアオイの栽培にも取り組んでいる。5月下旬に種をまき、当番制で水やりをするなどして大切に育て上げ、8月下旬に咲き始めたという。
同花はアオイ科トロロアオイ属の植物で、大きさは約10センチ。オクラに似た花を咲かせることから「花オクラ」とも呼ばれる。朝に咲き、夕方にはしぼんでしまう一日花で、はかなくも美しい華やかさが目を引き付ける。
和紙を制作する過程では、手漉(す)きの際に根から採れる粘液「ねり」を水と混ぜて使用。とろみをつけることで原材料・ミツマタの繊維の広がりを均一にして良質な紙に仕上げる。
5年生・田口聖那君(11)は「育てるのが大変だったけど、きれいな花が咲いてよかった。思ったより大きくて驚いている。横野和紙を作るのに役立ててもらえたらうれしい」と話していた。