今冬一番の寒気の影響で記録的な大雪に見舞われた県北各地は25日、住民生活に混乱が続いた。雪かきに追われる人の姿があちこちで見られ、交通機関も乱れた。市民からは「ここまでの雪は経験がしたことがない」との声が聞かれた。
加茂地域の中心部ではこの日夕方になっても家々の屋根に80㌢程度の雪があり、一面真っ白のまま。小中原の主婦・前原政江さん(85)は「前日から一気に降り積もり、こんなにすごい雪は初めて。事前に食料を買い込んで備えていたが、今日は一日中雪かきに追われた」。
加茂支所には「除雪してほしい」との問い合わせが続いたという。支所が持つ除雪車の対応能力を大きく上回る大雪といい、幹線以外の細い道などでは除雪が追いついていない状況。70代女性は「雪のため家から出られず、陸の孤島のようになっている所もあるようだ」と心配そうに話す。
小中原地区では自宅脇の溝があふれ、床下に水が入った家も。90代の住人の男性は「経験したことのない大雪で、記憶にない」。
近くの70代男性は、車の屋根に80㌢ほど積もった雪に「最近は大雪になることが少なく、四輪駆動車を買い控えて二輪駆動車にする人が多いと思うが、こうした災害級の雪では四駆がないと動くこともできない」と話した。
高速道路はこの日、中国道や米子道で通行止めが発生。JRは26日も因美線の津山―智頭間、姫新線の津山―佐用間で終日運行を取りやめる。
「ここまでの雪経験ない」住民生活混乱続く