成名小学校=岡山県津山市野村=のシンボルで、老朽化のため壊れていた校庭の「せせらぎ水車」が新調され、小屋も修繕されて再び回りだした。18日にお披露目式があり、流水を受けこぼす癒やしの鼓動に児童や関係者が目を細めた。
同水車は、1997年の校舎改築時に付近の加茂川から引いた水場に設置。「子どもたちの情操教育に」と倉敷市の建設業者が寄贈し、直径約2メートルの松の木製だったが、経年による腐朽が進んで一昨年から止まっていた。状況を聞いた地元町内会でつくる同校財産管理委員会(中尾順一会長)が資金を出して市内の業者に依頼。水車部分は防腐加工したヒノキ材で新たに造作し、小屋は使える部材を残して修繕した。
校庭北側の水車前での式には6年生(16人)と関係者を含め約40人が参加。
目録を有本明彦教育長に手渡した中尾会長が「25年ほどの間に破損したが、業者を探して再現できた。子どもたちが水車を見て心安らぎ、優しさを培ってくれたらと思う。末永く地域のシンボルであり続けてほしい」とあいさつ。
有本教育長は「学び舎の象徴として新たな歴史を紡ぎ、児童たちが母校への愛着を深めてくれるよう見守っていきたい」。児童代表の松田琴音さんと塩田勇人君が「新しい水車は動きがよく、ヒノキのいい香りがして気持ちが晴れやかになる。大切にしていきたい」と感謝の気持ちを伝えた。