特集「ザ・作州人」クリエイティブ・ウェブ代表 岡部倫典さん

ザ・作州人 「ザ・作州人」岡部倫典さん
「ザ・作州人」岡部倫典さん
         

 奈義町をシリコンバレーに
 クリエイティブ・ウェブ代表 岡部倫典さん

 今回の「ザ・作州人」はウェブ製作、システム開発で躍進する株式会社「クリエイティブ・ウェブ」(大阪市)の代表取締役社長、岡部倫典さん(44)を取り上げる。「先義後利」をモットーに信頼を獲得し、事業を拡大させてきた。夢はデッカく「奈義町をシリコンバレーに」。実は野球部の後輩。出来の悪い先輩だが、応援せずにはいられない。

 こんな後輩がいたなんて。同じ高校出身というだけでも親しみが湧くのに野球部の後輩となれば、格別の思いがある。しかも、聞けば「センターでキャプテンだった」とのこと。自分たちの時代にそうだった新免勝広さんの顔が浮かんだ。おい、シンメン。元気か?
 もちろん、今回、岡部さんを取り上げたのは野球部のよしみだけではない。話を聞けば聞くほど、掛け値なしに本物の男と分かったからだ。関西大学工学部で学んでいたころから起業家を目指し、4カ月ほど民間企業で働いた後に2000年9月、23歳で独立。「ユー・アイ・エス」を立ち上げ、のちに株式化した。
 「時代はちょうど2000年問題のころで、過渡期でもありました。パソコンを修理したり、プログラムを作ってソフトを売ったり。頼まれればホームページをつくったりするなど、最初は御用聞きのようなことをしていたんですよ。時代の流れにうまく乗れたのかもしれません」
 大切にしているのは人と人のつながり。「先義後利」をビジネスの基軸にしており、それを徹底することで顧客の信頼を勝ち取って来た。2005年には業務を分担。ウェブ製作、コンサル部門に比重を置いた株式会社「クリエイティブ・ウェブ」を設立し、増収増益を重ねてきた。
 「クライアントの期待を超える品質と感動を与えられる企業を目指しています」
 人材は人財。岡部さんの凄いところは「鉄は熱いうちに打て」とばかり、先手先手で社員教育に力を入れている点だ。予算を掛け、先行投資。内定期間から研修を徹底し、スキルアップをしてもらう。その徹底ぶりと成果はクオリティーの高い経済誌にも取り上げられたほどだ。
 「新入社員には『向こう3年はがまんしろ!』と伝え、詰め込んでいます。そうすれば残りの45年はハッピーになるよって。うちにいると大企業で10年でできることを2年で経験できる。そのかいあって、野球に例えると甲子園クラスの選手がどんどん出て来ています」
 従業員は現在43人。顧客は上場企業から街の飲食店など450社にのぼる。なかでも不動産管理ソフト「イエセレクト」は市場価値が高く、この部門では「日本で10本の指に入るぐらい」と自負していた。
 津山高野球部時代は倉敷・マスカットスタジアムのこけら落としに出場した世代。「IT企業ですが、礼儀作法や人の力で勝つんだという思いなど根幹の部分は野球から教えられたもの」と話した。
 夢は過疎化が進む故郷の奈義町をIT企業が集積するシリコンバレーにし、人材の育成や教育に尽力することだという。
 まだ44歳。実にエネルギッシュでおしゃれだ。13歳上の先輩として、いい刺激を受けたのはいうまでもない。

(山本智行)

株式会社クリエイティブ・ウェブ https://www.creative-web.co.jp/

  ◇岡部倫典(おかべ・みちのり)1977年9月10日生まれの44歳。奈義町出身。津山高では硬式野球部に所属し、中堅手で主将。関西大工学部在籍時から起業を志し、2000年に23歳で「ユー・アイ・エス」を立ち上げ、04年株式会社に。05年に株式会社「クリエイティブ・ウェブ」を設立。代表取締役社長に就任。

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