作州絣保存会は25日、県郷土伝統的工芸品「手織作州絣(かすり)」の伝承や普及・振興、後継者育成に務める「手織作州絣製造者」に、今まで修練を積んできた県内外の女性会員6人を新たに認定した。約5年ぶり、2回目の実施で、これにより製造者は計13人になった。
2021年に同会が創設した制度で、織り人としての卓越した技術を身に付け、深い造詣を持ち、指導者として資質を備えるといった計6項目の審査基準を満たした人を承認する。今回認定を受けたのは、大竹純子さん(77)=上河原=、板倉明子さん(69)=日本原=、楠木玲子さん(60)=岡山市=、中西万里子さん(71)=鏡野町上森原=、福光友子さん(71)=広島県庄原市=、橋本由紀さん(53)=美咲町高下=。
この日は認定書授与式が、西今町の作州絣工芸館で開かれ、会員ら約20人が参列。日名川茂美会長(69)が作州絣の着物や衣服に身を包んだ6人に証書と木札を手渡した後、「先に認定を受けた製造者と会員たちと手をとりあって頑張っていってほしい」と激励。認定者代表して板倉さんが「取り組みを継続して技術向上に努め、保存会の活動に協力していく」と決意を述べた。
同会の「織り人養成講座」に参加するなど、広島から岡山県までの間を往復して約3年間励んできた福光さんは「好きなことをしているので失敗や苦労もいとわず、楽しんでいた。これからも研さんを積み、地元庄原市の子どもや若者たちに絣の魅力を伝えていきたい」と話していた。
