長距離を移動し「旅するチョウ」として知られるアサギマダラを呼び込もうと、真庭市落合地域の住民が、西原のJR美作落合駅の東側の県道路沿いに、同チョウが好む多年生植物を植えたフジバカマ園を整備した。ひらひらと舞い飛ぶ美しい姿が連日確認されており、住民や愛好家らが自然の神秘と不思議に触れている。
アサギマダラは羽を広げた時の大きさが10㌢ほどになり、透き通るような青緑の浅葱(あさぎ)色が特徴。春に北上し、秋になると南下して暖かい土地で越冬する。海を渡ることでも知られる。
フジバカマ園を整備したのは下市瀬の屋敷宗平さん(71)。屋敷さんは数年前から市内でフジバカマを植栽し、アサギマダラを呼び込む活動をしてきた。駅近くに住む大本家康さん(91)が協力し、所有する畑を利用して約200株を移植。先月25日に初飛来を確認した。
アサギマダラが優雅に飛び交う光景はまるでチョウの楽園。蜜を吸ったり、羽を休めたりする姿が見られ、訪れた人たちが珍しそうに見入り、カメラで撮影するなどして楽しんでいる。目印ののぼりを立てており、自由に入場できる。
「初飛来後、数が増えている。何千㌔も旅をするチョウがここに飛来してくれてうれしい」と大本さん。屋敷さんも「過疎地域を少しでも活性化できれば。多くの人にアサギマダラの魅力を知ってもらいたい」と話している。
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1美しい羽を広げたアサギマダラ