岡山県郷土伝統的工芸品「横野和紙」の手仕事について学ぶ高田小学校(岡山県津山市下横野)の5年生17人が2023年1月20日、上田手漉和紙工場(上横野)前の横野川で原料のミツマタを洗う「川ざらし」を体験した。
7代目の手漉(す)き和紙職人・上田康正さん(57)が、樹皮を石灰と炊いて軟らかくしてあることや作業の要領を説明。児童たちは、2人ずつ交代で凍てつくように冷たい川水を引いた「さらし場」に入り、手ほどきを受けながら樹皮を左右に振ってアクや不純物を洗い落としていった。
吹井智稀君(11)は「とても冷たくて手がしびれた。職人さんは大変な作業もしながら紙漉きの伝統を守っているんだなと思った」と話した。
樹皮は機械ですりつぶして網でこすと紙素(かみそ)となり、雑菌が少ない寒中は上質な箔(はく)合紙に漉き上がるという。同校では、県重要無形文化財保持者で6代目の上田繁雄男さん(80)にも指導を受け、6年生では卒業証書も作るなどの体験授業を続けている。
「横野和紙」の手仕事について学ぶ高田小学校の児童 「川ざらし」を体験