「舗道れんが」

歴史・文化 「舗道れんが」
         

 津山市は25日、城西地区の藺田川に大正時代に架けられた「翁橋」(宮脇町、西今町)=国の登録有形文化財=で、アスファルトの下かられんが舗装が見つかったと発表した。1921(大正10)年ごろから10数年間のみ製造された「舗道れんが」とみられ、市歴史まちづくり推進室は「城西地区の発展期に最先端の資材を用いて意匠にもこだわった舗装を採用した可能性もある」としている。
 橋は城西地区を東西に貫く旧出雲街道にあり、26(大正15)年にそれまでの木橋を鉄筋コンクリート造に架け替えて建設された。長さ10㍍、幅9・8㍍。橋の四隅のアールデコ様式を取り入れた大型の親柱が特徴になっている。西側には国の登録有形文化財・作州民芸館(旧土居銀行本店)が建つ。
 市が行った橋梁点検で補修・修繕が必要となったことから、今年2月に路面を1?四方試掘しアスファルトをはがしたところ、約50個の煉瓦が敷き詰められた状態で現れた。
 舗道れんがは35(昭和10)年ごろまで車道用の不燃道路資材として生産。その後、コンクリートやアスファルトに取って代わられたため、わずか13、14年程度で製造終了となった。道路舗装の事例は全国的にもほとんど現存しないという。
 見つかったれんがは1個が長さ21㌢、幅8㌢、高さ9㌢、重さ3・4㌔。底面にはワッフル状の細かな格子模様がある。一般的なれんがより硬いという。現時点では製造元や試掘箇所以外の保存状況などは不明。
 同室は「翁橋が近代化遺産に登録されていることや、城西地区が重要伝統的建造物群保存地区に選定される見通しであることから、歴史的価値を損なわないよう慎重に橋の補修・修繕方法を検討し、今後の保存・活用を図っていきたい」としている。


1見つかったれんが。底面にワッフル状の細かな格子模様がある

2れんがの発見状況(市提供)
3建設当時の翁橋の様子。れんが張りが確認できるという(江見写真館提供)


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