日本三大練供養で知られる「二十五菩薩(ぼさつ)練供養」(県重要無形民俗文化財)が21日、浄土宗開祖・法然上人の生誕地の岡山県久米郡久米南町の誕生寺であった。大勢の参拝者が、二十五菩薩の来迎で法然上人の両親を極楽浄土に迎える厳かな行事を見守り、病気平癒や無苦往生を祈願した。
室町時代より始まった、法然上人の両親を供養する浄土宗唯一の大法要。今年は雨天のため、六地蔵をまつる娑婆(しゃば)堂まで錬るのをとりやめた。
追恩大法会に続き、極楽浄土に見立てた本堂の回廊を黄金の菩薩面をかぶった信徒25人が、稚児行列や僧侶とともに介添人に手を引かれて歩いた。隣接する阿弥陀堂で、帰着法要が執り行われた。
境内では、訪れた人たちが荘厳な行列に静かに手を合わせるなどしていた。家族5人で来ていた、岡山市南区の南輝小学校6年・綾琉音君は「お母さんが生まれた場所が、すごいお坊さんが生まれた場所だということが分かってうれしかった。来年もまた来たいです」と話していた。