岡山県津山市阿波のグランピング施設「ザランタンあば村」は、阿波森林公園内に2021年7月オープン。岡山・鳥取県境の山あいに位置する人口約400人の阿波地域は、渓流や滝、温泉、地元食材を使った料理など豊かな観光資源に恵まれ、県内外から多くの人が訪れる。リピーターも多く、自然と人の温かさに触れられると好評だ。
公園は、地元の「あば株式会社」、囲炉裏焼きの飲食店「あなみ」、観光施設向けの人材派遣サービスを展開する「ダイブ」(東京)の3社で管理。グランピング運営はダイブが担い、地方創生事業として取り組んでいる。
「丁寧な時間を過ごす田舎暮らし」をコンセプトとした「ザランタンあば村」には、定員2人のベルテント、4人用の皇帝テント、7人用のバンガローなどが並び、ファミリーなど幅広い層まで対応。施設のそばを流れる落合川では渓流釣りや畑作業、たき火、スパイス作りなど体験メニューも豊富で、地元の米や野菜、津山産の牛肉を使ったバーベキューや朝食も提供され、五感で楽しむ里山体験ができる。4月にリニューアルしたばかりの「あば温泉」も無料で利用できる。

スタッフとして地域住民と派遣アルバイトが丁寧に対応し、アットホームな雰囲気を大切にしている。「温かい人柄で打ち解けやすい」との声もあり、自然だけでなく人との交流も滞在の大きな魅力の一つとなっている。
支配人の原誠也さんは「効率やスピードが重視され、人との接点が減っている今だからこそ、ここでは人とのふれあいや自然の中での豊かな体験を求めて訪れる人が多い。スタッフの人柄や地域とのつながりも含めて、他にはない時間が流れている」と語る。
近隣には、同社が管理する「クラフトホテルあば村(あば交流館)」もあり、個室やドミトリー、シェアキッチンや洗濯機を完備。温泉や体育施設、レストランなども周辺に揃い、合宿や長期滞在にも適している。
地域の自然と人の魅力を生かした場所で、ゆっくりとした時間を求める人たちが、今日もこの地を訪れる。
