広野小学校(田熊)で16日、授業の一貫で5年生17人が、農業用機械が普及するまで使われていた手動の農機具を使った脱穀作業を体験し、かつての農作業の大変さを学んだ。
児童は総合的な学習の時間を活用して地域住民たちに教わりながら米作りと食の大切さに関する理解を深めている。本年度に入ってから苗床づくりから稲刈りまで取り組んできた。この日は木製の「足踏み脱穀機」や、「唐箕(とうみ)」を活用し、自分たちで刈り入れた稲穂から籾(もみ)を取り出す作業に挑戦。
子どもたちは下山哲夫さん(77)=田熊=らボランティア4人から手順や注意事項を教わった後、グループに分かれて実践。足踏み脱穀機の作業では、一人がペダルを踏んで針金のついた円筒を回転させ、もう一人が稲の束を持って穂先を筒にあてて籾を取り出していった。最後は籾をかき集めて唐箕の中に入れ、ハンドルを回して風を起こし、籾の中に混ざっているわらくずやごみを吹き飛ばした。

手際よく進めるには道具を扱うコツや力が必要で、脱穀機に稲が絡まるなどの苦労もあったがみんなで協力して慎重に進めていった。
坂田梨奈さん(11)は「この作業を一日がかりで取り組むには根気と体力が必要で、昔の人たちは本当に大変だったのだと実感できた。便利な機械が登場して仕事が楽になってきたことに感謝したい」と話していた。
この日取れた米は後日、保護者やボランティアを招いて一緒に食べる予定。
