岡山県津山市西新町の同館GENPOホールでこのほど、「津山洋学資料館第76回文化講演会」が開かれ、洋学史学会の八百啓介会長が江戸時代の砂糖の貿易と国内流通の様子について話した。
17〜19世紀の鎖国時代、長崎出島のオランダ商館が販売していたオランダ船や唐(中国)船による輸入砂糖をクローズアップ。
往時の資料を見せながら「1759(宝暦9)年をピークに、年間1500〜3000トンが輸入された。国内流通は通説では長崎街道を経由したとされるが、陸路では膨大なコストがかかり、大半は船で大阪の薬種問屋に運ばれた」と指摘した。
価格の推移にもふれ、次第に菓子材料として庶民が口にできるようになったこと、福岡藩と佐賀藩が特権を持って販売したため一帯の城下町かいわいに広まったことなども紹介。市民ら約60人が終始熱心に聞き入った。