りせら治療院
小椋 一弘さん
「沿道の観客の声援や、東京の街並みが前に進む力を与えてくれた」ー。東京パラリンピックのマラソンコースを活用した第1回「東京レガシーハーフマラソン」(16日)に障がい者枠で出場し、完走した小椋一弘さん。約1万4000人とともに都心を駆け抜けた。
マラソンと出合ったのは4年前。「盲学校時代の友人がフルマラソンを完走したのを見て感激し、弱視の自分も挑戦したいと思った」。
視覚障害者と健常者が健康づくりに取り組む「レインボーメイト津山」のサポートを受けながら、志戸部の津山陸上競技場などでトレーニングを積み、2018年の鏡野マラソンで大会に初出場。その後は出雲くにびきミニマラソンや岡山マラソン、加茂郷フルマラソンなどに出場した。
今夏、トレーニングの距離はひと月に約150?。自身の生まれた年が東京五輪開催年だったこともあり、出場に特別な思いがあった。「当日は緊張したが、到着点の新国立競技場にたどり着いた時の解放感が忘れられない」。
12月には第36回青島太平洋マラソン(宮崎県)が控えている。「伴走者やサポートしてくれる家族があっての挑戦。楽しむことを忘れず、走り続けたい」とさらに意欲を燃やす。
プロフィル
40歳で視覚障害の難病と診断され、10年に岡山盲学校に入学し鍼灸免許を取得。14年に同治療院を開業。妻、次男と下高倉西の自宅で暮らす。58歳。
ひとひと小椋一弘さん