南米原産の色鮮やかな花「アルストロメリア」の出荷が岡山県内唯一の産地・鏡野町奥津地区で始まり、ハウス内はひと足早い春の雰囲気に包まれている。
年間35万本を出荷する上原園芸の牧野達也さん(同町下斎原)は、気温10度に保たれた温室内で摘み取り作業に励む。アルストロメリアは色の種類が多く、日持ちがよいことから花束やフラワーアレンジメント、冠婚葬祭のほか、これからのシーズンは卒業式や入学式用としても需要が高まる。
標高500メートルほどの奥津地区では、夏でも冷涼な気候を生かして1987年から栽培が始まり、今では県内唯一の産地に。5軒の農家が手がけ、特産品として通年での出荷に取り組んでいる。
「色がたくさんあり、長持ちするのがアルストロメリアの特徴。丹精込めた花を多くの人に楽しんでもらいたい」と牧野さん。3月から5月に出荷のピークを迎え、近県の市場に運ばれる。