岡山県美作市在住の作家・あさのあつこさんの魅力にふれられる交流サロン「ほたる館」が20日、湯郷温泉街=美作市=にオープンした。記念式が湯郷地域交流センターであり、地元の人気作家と〝本好き〟を結ぶ新たな拠点の完成を祝った。
あさのさんのデビュー作『ほたる館物語』にちなみ命名。場所も同作の舞台になった、あさのさんの祖母が経営していた旅館「山陽亭」跡の一角を活用した。あさのさんのほぼ全作品約300冊とゆかりの本150冊、そして代表作『バッテリー』の映画の撮影風景のパネルやサインなど関連グッズがずらりと並んでいる。
開館は毎週土、日曜日午前11時から午後3時まで。あさのさんを囲んだ読書会(年2回)をはじめ各種ワークショップ、カフェ・バザーなどのイベントを予定している。
記念式にはあさのさんをはじめ関係者ら約30人が出席。ほたる館を企画し、運営する「あさのあつこの会」の鳥越尚美代表(68)が「あさの作品を身近に感じられる場所づくりはメンバーの長年の夢。『言葉があなたの力になりますように』というあさのさんの願いを一人でも多くの方へ届けられる場所に育てていきたい」とあいさつ。あさのさんは「コロナのあと、形にできない、色も、匂いもなく、目にも見えないが確かに存在する、文化というものがますます大切になる。ほたる館の誕生に大きな勇気を頂きました」と謝辞を述べた。
また、元RSKアナウンサーの中山美保さんと岡山マスカット朗読会による『ほたる館物語』などの朗読があった。
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湯郷温泉街でオープンした「ほたる館」