岡山県真庭市岡の旧勝山藩主の別邸「三浦邸」で11日、「椎の木三浦邸お茶会」が開かれた。訪れた人たちは一服しながら四季の花が咲く見事な庭園の眺めと風情を楽しんだ。
茶会は邸内や正門前に咲くアジサイの花を多くの人に見てもらおうと約25年前から行われている催しで、コロナ禍を経て4年ぶりに再開。主催の勝山文化協会茶道部なごみ会のメンバーで、裏千家の野﨑宗芳さん(87)ら16人が来客をもてなした。
静寂につつまれた茶室で、参加者たちは会員のお点前をじっくりと観賞。運ばれてきた和菓子やたてたばかりの抹茶を味わった後、屋敷の外に出て、青く色づき始めたアジサイや庭園のサツキなどの花々を愛でながら、思い思いの時間を過ごしていた。
今回初参加した会社員・浦島千里さん(72)は「静かな場所でゆったりと過ごせたおかげで、リラックスして自身と向き合う時間がつくれた。また、参加してみたい」と話した。
同邸宅は勝山藩最後の領主・三浦顕次が構えて以来、3代にわたり住んでいたが、1989年に旧勝山町に寄贈された。屋敷前には樹齢数百年と推定される椎の大木があることから「椎ノ木御殿」とも呼ばれている。