厚生労働省や都道府県薬剤師会などは、令和4年度は10月17日から23日までの一週間、全国で「薬と健康の週間」を行い、医薬品を正しく使うことの大切さや、そのために薬剤師が果たす役割の大切さを訴える。県薬剤師会津山支部長・津山薬剤師会長の冨永美香子さん(そよかぜ薬局)に、薬局の地域の健康拠点としての役割について話を聞いた。
―コロナ禍で変わったことはありますか
感染症対策を徹底するのは当然ですが、基本的な仕事に変わりはありません。患者さん個々に寄り添い健康をサポートすることが仕事です。
感染症対策に関しては、薬剤師は消毒や除菌に関する専門家でもあります。消毒方法についてもご相談ください。
―地域の健康拠点として力を入れていることはありますか
いま私たちは「来て! 聞いて! 効いて! くすりと上手なおつきあい」のスローガンのもと、気軽に相談できるかかりつけ薬局・かかりつけ薬剤師をお持ちになることをお勧めしています。信頼できる薬剤師とコミュニケーションをしっかりとり、安心して薬と付き合っていただきたい。
―かかりつけ薬局・かかりつけ薬剤師を持つメリットは
患者さん一人ひとりの状況を知っていることはとても重要です。薬剤師が患者さんの体調や服用している医薬品などを把握することで、その方々に応じたより良い医薬品の選択や、適切なアドバイスが可能になります。リスクにもいち早く対応可能で、24時間対応している薬局もあります。また薬剤師は医師への提案も行うこともあります。
―信頼できる薬剤師さんはどのように選ぶと良いですか
話が合うなど好みの部分も大きいですね。話をしっかり聞く傾聴力が大切です。雰囲気がよく、さまざまな情報をよく開示している行きやすい薬局を選んでください。
かかりつけ薬剤師はどの薬局に在籍していますか
2016年から始まった制度で、患者さんが一人だけ指名する薬剤師です。多くの薬局に在籍しています。かかりつけ薬剤師がいて、健康について幅広くサポートを受けられる薬局を「かかりつけ薬局」といいます。さまざまな条件があり、経験豊かでないとかかりつけ薬剤師にはなれません。
かかりつけ薬剤師は申し込みが必要です。詳しいことはご相談ください。
―市民の皆さんに伝えたいことは
ぜひ、薬局を通して薬との上手な付き合い方を知っていただきたい。なぜこの薬を服用するのか、仕組みをしっかり理解していただくことが大切です。正しく服用することで、薬の効果は発揮されます。
たくさんのお薬をのまれている場合、まとめて一袋にする一包化というサービスなどがあります。のみ間違いや薬の紛失を防げますし、手が不自由な方にも便利です。このようにさまざまなサービスを用意しています。さらに在宅に薬を届ける対応をしている薬局もあります。薬に関することなら、ささいなことでもお気軽にご相談ください。
令和4年度「薬と健康の週間」の実施について
1 目的
「薬と健康の週間」は、医薬品を正しく使用することの大切さ、そのために薬剤師が果たす役割の大切さを一人でも多くの方に知ってもらうために、ポスターなどを用いて積極的な啓発活動を行う週間です。
2 実施期間
令和4年10月17日(月)から10月23日(日)までの1週間
3 実施機関
1.主催 厚生労働省、都道府県、日本薬剤師会及び都道府県薬剤師会
2.後援 文部科学省、独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA)、
日本製薬団体連合会、日本製薬工業協会、公益社団法人全日本医薬品登録販売者協会、
一般社団法人日本医薬品登録販売者協会、一般社団法人全国配置薬協会、
一般社団法人日本置き薬協会、一般社団法人日本配置販売業協会、
一般社団法人日本チェーンドラッグストア協会、一般社団法人日本保険薬局協会、
公益財団法人麻薬・覚せい剤乱用防止センター