インターネット上で資金を募るクラウドファンディング(CF)を活用し、新型コロナウイルス感染拡大の影響で苦境に立つ飲食業を支援する動きが全国で広がっている。そんななか岡山県真庭市鹿田のケータリング(出張料理)事業の「ヒトトゴハン」もCFの活用を開始。代表取締役の沼本吉生さん(39)は「同じ苦しみにあっている事業者に融資以外にも資金調達アプローチがあることを知っていただけたら」と話す。
CAMPFIREが提供する新型コロナウイルスサポートプログラムを利用して3月25日から開始した。28時間で目標額を達成したが、コロナ禍収束の兆しは見えないため、ストレッチゴール(少し上の目標)を再設定して今月27日までプロジェクトを継続する。お礼には3月1日に予定していたヒトトゴハン5周年記念パーティーの招待券やパーティーケータリングなどをプレゼントする。
政府の新型コロナウイルス対策本部が2月26日に発表したイベント自粛要請から事態は急変したという。同社の主要売上は大規模パーティーのケータリングで、3、4月の予約の95%がキャンセルに。損害額は昨年総売上の5分の1にも及んだ。
日々減っていく現金を補てんするために金融機関へ新型コロナ関連融資手続きや売掛金・未払いの延期など、資金繰りに走り回る日々が始まった。そんななかCFをスタート。わずか1日で目標をクリアし「こんなにも早く達成できるとは思っていなかった。ただただ皆さんの気持ちがありがたい」と語る。見ず知らずの「未来のお客さん」からの支援も多数寄せられた。
CFのプロジェクト名は「まけるな ヒトトゴハン!」。寄せられた資金を活用して新規事業を二つ立ち上げる計画だ。「私たちのケータリングの先にあるお客様の笑顔。これからもその笑顔にお応えしていきたいと心から願っています」といい、未来を切り開こうとしている。
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クラウドファンディングの「まけるな ヒトトゴハン!」プロジェクトの画面と、沼本さん
クラウドファンディング活用支援をケータリング事業の沼本さん感謝/岡山・真庭市