五穀豊穣や無病息災などを祈願し、色とりどりの造花や短冊で飾り立てられた傘の形をした「花」をぶつけあう勇壮な花祭り(岡山県県重要無形民俗文化財)が3日、岡山県津山市の阿波八幡神社で4年ぶりに行われ、色とりどりの「花」をぶつけ合う伝統行事を大勢の見物客が楽しんだ。
花は旧阿波村8地区の氏子が1基ずつ作成。高さ約3メートルの木柱の先端に、色紙や造花、短冊で装飾した細竹80本を放射線状に取り付け、最上部には竹かごや風車などが飾ってある。
神事のあと、旧阿波小学校グラウンド=岡山県津山市=に集結して”花合戦”。男衆が「うおー」という掛け声とともに花を斜めにして激しくぶつけ、壊し合いながら、五穀豊穣(ほうじょう)と無病息災を祈願した。抜け落ちた竹を丸めて屋根に上げると火災よけになるといわれ、子どもらが競って拾った。
友人と訪れた中学校3年生の寺坂柚季さんは「久しぶりに間近で見るとスリルと迫力があった。持ち帰った花で家族と厄除けを願いたい」と話した。