9月に入った。木の枝や葉にはセミの抜け殻が残り、夏の終わりを静かに告げている。 羽化してから1週間という命の短さをおう歌するセミ時雨。元気に響いたその声も、もうすぐ聞きおさめとなる。里山などではゆく季節を惜しむように鳴き、郷愁を誘っている。 二十四節気の「処暑」を過ぎ、朝晩の空気がひんやりとしてきた。野山から虫たちの涼しげな合唱、西の空には少しずつ日の短さが感じられる。稲穂を揺らすやさしい風が、秋のにおいを運んでくる。p葉裏に残ったセミの抜け殻=グリーンヒルズ津山で