ダウン症のピアニスト・川嶋絢さん(32)=岡山県津山市=のコンサートが19日、久米郡美咲町の美咲中央小学校で開かれ、4〜6年生や地域の人ら約100人が優しい旋律に耳を澄ませた。
ドボルザークの「ユーモレスク」をはじめ、唱歌を編曲した「さくら」「夕焼けファンタジー」「かあさんのうた」、モーツァルトの「幻想曲」を演奏。小さな手から、やわらかく包み込むような音色を紡ぎ出し、児童たちは静かに聴き入り、一曲ごとに大きな拍手を送った。
川嶋さんの母・智子さんは「娘は毎日こつこつ練習し、27年間弾き続けている。みなさんも夢に向かって大好きなことを続けてほしい」と呼びかけた。
児童たちは「続けていると何でもできると感じた」「きれいな音色で心が優しくなった」と感想を述べた。
障害者の多様な生き方と、ピアノが好きな心を伝えようと国内外で演奏活動を続けている川嶋さん。「みなさんに喜んでもらえるよう頑張りたい」と話していた。