ダウン症のピアニスト・川嶋絢さん(志戸部)が30歳を迎えたのを記念した「Aya’sサンクスコンサート」が9日、新魚町のベルフォーレ津山で開かれ、来場者約250人が澄んだ優しい調べに耳を傾けた。
日ごろ応援してくれる人たちへの感謝の気持ちを込めてと父親の哲也さん(70)が企画。3年前に出会ったのをきっかけに共演を続けているヴィオラ奏者・吉鶴洋一さん(55)と妻のゆか里(51)さんもゲスト出演し、合わせて16曲を披露した。
川嶋さんはベートーベンの「エリーゼのために」をはじめ、「ふるさと」「かあさんの歌」といった童謡をアレンジした曲を奏でた。ゲストの吉鶴さんも加わり、映画「美女と野獣」のテーマ曲などを合奏。観客はじっとステージを見つめて聞き入り、演奏が終わった後は大きな拍手を送った。
ピアノを始めて4年目になる東小学校3年・笹尾乙葉さんは「音色が美しく、迫力があると感じた。手本にして自分も頑張る」。母親の愛さんは「障害のある人たちの希望となるように応援していきたい」と話した。
川嶋さんは「好きなことなのでずっと続けていきたい。みんなに喜んでもらえたらとてもうれしい」と語った。
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吉鶴さん(左)と合奏をする川嶋さん