県は、県内のツキノワグマの生息数が2020年末時点で337頭(中央値)と推定され、前年に比べ1割程度増えているとの調査結果を公表した。頭数管理のための捕獲上限数は21年度、現行の48頭から50頭に引き上げる。
調査は兵庫県の専門機関に委託し、過去10年間の出没、捕獲などのデータを基に推定(統計的確率90%)。県内の個体数は189〜525頭の範囲とされ、中央値が19年より28頭多いとされた。中央値の推移は16年が215頭、17年246頭、18年278頭、19年309頭と年々増加。
20年の出没は169件で19年(222件)の約2割減。捕獲は30頭(19年24頭)で、うち12頭が錯誤、18頭が有害駆除され、狩猟は0頭だった。市町村別の出没・捕獲数では、半数を占める美作市の115件・14頭を筆頭に、奈義町10件・4頭、津山市8件・4頭、真庭市11件・4頭、鏡野町7件・1頭―など。
東中国山地のツキノワグマは、環境省のレッドリストで「絶滅の恐れがある個体群」に指定されているが、生息密度が高まるにつれて生息域、行動域を広げる傾向にある。
冬眠明けの時期を前に県自然環境課では「登山や山菜採りで入山する際は、出くわさぬために人の存在を知らせることが第一」と呼びかけている。
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錯誤捕獲されたツキノワグマ(県提供)
ツキノワグマ生息数
- 2021年2月27日
- 自然