岡山県津山市に本社を置く繊維メーカー「加茂繊維」は、天然鉱石ブラックシリカをポリエステル繊維に封入した機能素材「BSファイン」の効果・効能を科学的に実証するために、デンマーク・オーフス大学、新潟大学と共同研究をスタートさせた。
2年間プロジェクトで、「着る岩盤浴」などと称される製品のエビデンス(根拠)を導き、素材としてのBSファインをより生かすとともに、非繊維への応用も視野に入れる。
研究内容は▽BSファインに含まれるブラックシリカ由来の身体への影響の検証▽睡眠の質の改善、認知機能への影響の調査▽BSファインを科学的根拠のある製品としての開発とそのブランディング―。
今回の共同研究は津山市みらい戦略ディレクター・松野弘オーフス大客員教授(75)がコーディネート。オーフス大と新潟大はすでに共同研究協定を結んでいる。オーフス大生命医学部・竹内倫徳准教授(52)と新潟大脳研究所・田井中一貴教授(45)がこのほど来津し、角野充俊社長(70)と契約書を交わした。
竹内准教授は「旧加茂町(現・津山市加茂町)出身の私にとって、加茂が創業の地である加茂繊維さんと仕事ができて光栄。津山発のヘルスケア産業がワールドワイドに貢献する一助になりたい」。田井中教授は「BSファインが生体にどう影響するのか。日本古来の鉱石・ブラックシリカは物理的に未知で、分かれば大きなブレークスルーになる」とそれぞれ抱負を述べた。
角野社長は「最高のチームに恵まれた。しっかりエビデンスを導き、より世の中に貢献できる製品を開発したい」と語った。