ナラ枯れ対策 県が基本方針策定

自然 ナラ枯れ対策 県が基本方針策定
ナラ枯れ対策 県が基本方針策定
         

 害虫が媒介する病原菌による「ナラ枯れ」が県北部で広がる中、県は被害対策の基本方針を初めて策定した。航空撮影による被害把握、甲虫・カシノナガキクイムシ(カシナガ)の駆除を促進するとともに、抵抗力の強い若木を増やすなどしていく。
 ナラ枯れは、体長約5㍉のカシナガが幹に穴を開けて入ることで病原菌が増殖。根から水や養分を吸い上げる管を詰まらせるため、重症化すれば枯れる。県内では2009年から鏡野町と真庭市で初めて確認され、範囲が年々拡大。20年度は津山、新見、美作市、奈義、美咲町、新庄、西粟倉村を含む9市町村に広がり、10月末時点で前年度(約4000立方㍍)の数倍にあたる約2万6000立方㍍が被害を受けている。
 基本方針では、早期発見、現状把握に向けてヘリコプターで上空から撮影して被害木を探査。駆除対策では、感染木を伐倒して薬剤くん蒸による駆除、フェロモン剤でカシナガを誘引する捕殺器も設置する。実施主体は各市町村とし、県は技術指導などの役割りを担う。県内の地域ごとに連絡協議会を設けるほか、感染山域がつながっている鳥取県とも情報共有、連携の強化を図る。さらに大木ほど感染しやすい傾向にあることから、若木を増やしていくという。
 現時点でナラ枯れの特効薬はなく、カシナガの駆除には多くの人出を要するため、被害が広がる勢いに追いついていない状況。
 県治山課では「総合的に対策を推進し、被害を最小限に抑制していく」としている。

カシノナガキクイムシ


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