岡山県真庭市北房地域で生息するホタルが見ごろを迎えるのに合わせ、真庭市下呰部などの備中川沿いでは、訪れる人たちを安全に誘導する常夜灯の設置が行われた。夕暮れには木製の灯ろうにやわらかい明かりが灯り、風情ある景観をつくりだしている。
灯ろうは、毎年呰部商店会が設置しており、カフェうたたね付近で見かけることができる。このほか、人工光からホタルを守るために、北房ホタル保存会が川沿いに遮光幕をはるなど、地域全体で保護活動と観賞しやすい環境づくりに取り組んでいる。
1日の夜、北房ほたる公園近くの川では、ゲンジボタルが飛び交う姿が見られ、さっそく集まった観光客たちは夜空に浮かぶ淡い光に見入っていた。岡山市から来たという会社員・下村綾さん(25)は「こんなにたくさん見られるとは思っていなかったので驚いた。県北の自然の豊かさを実感した」。息子の鼓己君(5)は「とってもきれいで、かわいい」と喜んでいた。
同地域では1日から22日までを「北房ホタル観賞月間」とし、各団体が観賞に来る観光客をおもてなしするイベントを企画。
8、15日は午後4時から10時まで呰部商店街で「ホタルの夕べin北房」が開かれ、通りには屋台が立ち並ぶ。9日は午前11時から午後7時半まで北房文化センター、コスモスドーム=真庭市上水田=で、「ホタルフェス」(同実行委主催)を開催。10組のミュージシャンが出場する音楽イベントで、飲食ブースも充実しており、子どもから大人まで楽しめる。