貴重な史跡や文化財がある岡山県津山市二宮地区で、ボランティアガイドの養成に向けた取り組みが始まった。美作国二宮として知られる高野神社について学ぶ歴史講演会が22日、同神社で開かれ、住民ら約40人が魅力の発信や継承へ熱心に学んだ。
国の補助を受け、「二宮の史跡と文化財の保存・活用を進める会」(東城達彦会長)が実施。同地区には、木造随身立像や木造獅子など多くの文化財を有する高野神社、国史跡の美和山古墳群、江戸時代に大庄屋として栄えた立石家など多くの史跡や文化財があり、これらを訪れる人たちを案内できるようにする。
同神社の歴史資料展示館で開かれた講演会(同会、見て聞いて親しむ歴史と文化の会共催)では、河原仁司宮司(44)が講師を務めた。河原宮司は、同神社の祭祀の始まりは吉井川の川原にあった「おのころ岩」と伝えられ、534年に現在地に社殿を創建し、現社殿は1663年に津山藩2代藩主・森長継によって造営されたことなどを説明。
10年後に迎える鎮座1500年に触れ「人との絆を結ぶ神社を中心としたまちづくりを進め、地域の結束を高める祭りや歴史を多くの人に伝えていきたい」と話した。
進める会はこの講演会参加者を対象に、7月10日午前10時から二宮公民館で、ボランティアガイド養成講座を開く。テーマは高野神社で、津山おくにじまん研究会の赤坂健太郎代表が講師を務める。地区住民が対象で、22日の講演会に参加していなくても希望があれば参加可。
ガイドの活動スタートは次年度を目指す。進める会では「後継者づくりとして、将来的には小中学生といった若い世代もガイドができるように取り組みたい」としている。
問い合わせは、二宮公民館(TEL:0868-28-3292)。