「人づくりまちづくり研修会」が12日、岡山県津山市の中央公民館で開かれ、NPO法人フリースペースたまりばの理事長・西野博之さん(64)=神奈川県川崎市=が、不登校の子どもとの向き合い方について話した。
テーマは「誰ひとり取り残さないまちづくり~今、子ども達に求められている居場所とは~」。38年前から、学校に行けない子どもたちに寄り添い続ける西野さんの取り組みを実例を交えて紹介した。
全国の不登校児童、生徒の数が30万人を超え、年間500人の子どもが自ら命を絶っている現状についてふれ、「貧困と過干渉の二極化が起きている。家庭でストレスを吐き出せなくなった子どもがいじめや暴力を起こす」と指摘。さらに不登校の9割は学校に行けない理由がわからないことから、「親は頭ごなしに否定するのではなく、子どもの声に耳を傾けることが大切」と呼びかけた。
続いて、西野さんが開設した公設民営の不登校児童・生徒の居場所「フリースペースえん」の日常を紹介。子どもの自己責任で自由に遊ぶことをモットーに運営しているとし、「大人は何もせず見守ること。居たいように居れる場所ができると、子どもは安心して自ら学校に通うようになる」と語りかけた。
同研修会は美作地区社会教育委員連絡協議会などが主催し、管内の社会教育委員ら約70人が聴いた。