岡山県津山市吉見の市史跡・医王山城跡(標高343㍍)で23日、中世山城登山会が開かれ、子どもからお年寄りまで約60人が新緑や本丸跡からの眺めを満喫し、戦国ロマンに思いをはせた。
医王山城を築城したのは、南北朝期以前の上道是次とされており、戦国時代には毛利方の湯原春綱と織田方の宇喜多勢が攻防を繰り広げた。
登山会は山城の魅力を知ってもらうことや交流を目的に医王山城跡保存会が恒例で開いている。県外からも参加があり、快晴のもと出発。途中、防御のために築かれた「堀切」や「曲輪」(くるわ)といった遺構も見学し、息を弾ませながら山頂を目指した。
約30分かけて登り切ると、眼下に広がる壮大な見晴らしに歓声が上がった。この日は備前岡山宇喜多武将に扮した2人が甲冑(かっちゅう)姿で登山し、参加者と交流を深めた。
鳥取県境港市の土田良和さん(74)は「歴史ロマンに浸ることのできる素晴らしい山だと思う。地元保存会の登山道の整備への尽力に感謝したい」と話していた。