二の丸東側石垣の大規模な修復工事を行っている国史跡・津山城跡=岡山県津山市=で1日、現地見学会(市主催)が開かれ、市民や歴史ファンら約90人が石垣の解体状況や発掘調査で見つかった石積みの構造などに興味津々で見入った。
工事は、本丸から一段下がった帯曲輪(おびぐるわ)を構成する全長約65メートル、高さ7〜8メートルの石垣に膨らみが見られたため、保存整備計画の一環で実施している。
見学会は4回に分けて行い、市文化課職員が案内した。解体を行っている石垣について「現存する最も古い津山城の絵図である正保の城絵図(1645年ごろ)にも描かれ、築城時から存在していたと考えられる」と説明。
発掘調査で確認された石垣内側の石積み(全長約9メートル)に関しては、北側の石の階段部分に接続しており「最下部の地山が北から南に向かって上がっていることから当時は階段はなく、スロープ状になっていた時期があった可能性がある。スロープを埋めて階段にした時に改修が行われ、石積みは埋められたと推測される」とした。参加者は普段は入れない現場で熱心に見聞きし、知識を深めていた。
母親と参加した加茂小学校2年の杉山諒さん(8)は「今はクレーンがあるけど、昔は一つひとつ手で積み上げていたことがすごいと思った。城のことがとても勉強になり、夏休みの宿題の題材にしたい」と話していた。
同城は初代津山藩主・森忠政が1616(元和2)年、13年の歳月をかけて完成。昨年10月16日付で城の北東部と南東部が史跡の追加指定を受けている。
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石垣の内側から見つかった石積みを見学する参加者