「祭りを盛り上げたい」―。作州名物鯖寿司(さばずし)を製造販売する美園食品本店=岡山県津山市=の榎本正人専務(53)はそう話す。秋祭りシーズンを迎え、「例年以上、想像以上」とコロナ禍を吹き飛ばす勢いで連日注文が舞い込んでいる。
作州の秋祭りには欠かせない郷土料理。ピーク時は日に1000本以上作る。「コロナ禍で祭り気分を楽しむ余裕はあるのだろうか」という不安をよそに、シーズン初めからどんどん予約が入り始めた。「毎日お祭りをしている気分です」。
自慢の寿司は近海の真サバを使用する。塩抜き、骨抜きをした身を独自の合わせ酢に1〜2昼夜浸して味付け。地元のうるち米ともち米をブレンドして酢飯にする。「今年はお米も最高です」と榎本専務。無添加にはこだわりがある。
従業員ら9人で作業にあたる。サバと酢飯を型に入れて押し、セロファンで包む。午前1時から午後3時ごろまで続く。
「今年のサバも肉厚で弾力があり、脂がしっかり乗っている。祭りを楽しんで、家内安全、コロナ退散、世界平和をお祈りしましょう」
トレー入りは1個950円、焼鯖寿司、味噌煮鯖寿司、鯖南蛮寿司も人気。市内や県南でも販売されているほか直売、地方発送にも応じている。
問い合わせは、同店(☎0868‐57‐3939)。