作東中学校(美作市江見)で11日、シベリア抑留中の過酷な重労働体験を地域の人から聞く授業が行われた。3年生40人は戦争が招いた悲惨な出来事や戦後を生きる厳しさ、平和の尊さについて学んだ。
同市豊野に住む圓東光夫(てるお)さん(101歳)が来校。兵役中に平壌近郊で終戦を迎えた後、旧ソ連軍に連行されて漁港や建築現場などで強制労働をさせられた3年間について語った。
圓東さんは「船で氷を採取する仕事などをした。氷点下20度を下回る寒さは肌にささるような痛みを感じる」と切り出した。その上で海に落ちて亡くなる人がいたこと、衣類も与えられず、食料が不足する中で極寒に耐えながら「最期は日本で迎えたい。死にたくない」という思いで生き抜いたことを話した。
最後に「それでもロシア人と過ごす中で思ったのは、私たちと変わらない■人間■ということ。政治、軍事がからむから複雑な関係になる」と強調し、平和を築くことの大切さと反戦を訴えた。
長澤宗也君(14)は「戦争が終わっても、苦しみは続く。大人になっても体験者の言葉を忘れず、争いが起こらない世の中になるようにしていこうと思う」と述べた。
作東中学校でシベリア抑留中の過酷な重労働体験を地域の人から聞く授業