社会問題の解決や人道的支援に取り組むNPO法人「ピースウィンズ・ジャパン」(本部・広島県)による岡山県津山市内では初の「保護犬の譲渡会」がこのほど、同市神戸の特別養護老人ホーム「のどか」で開かれた。家族の一員として迎えようと県内各地から多くの夫婦や親子連れらが集った。
同法人は、犬の殺処分をなくそうと「ピースワンコ・ジャパンプロジェクト」を立ち上げ、広島県内で収容施設の運営。引き取った野犬や捨て犬を人に慣れるように訓練やケアを施し、全国各地の譲渡センター、譲渡会で里親と会わせる活動を行っている。
この日は、中型の雑種犬15匹が参加者と対面。差し出した手のにおいをかいだり、すり寄ったりして愛嬌を振りまいていた。
飼うことを決めたという岡山市の会社員・御堂前季栄美さん(35)は「ペットを捨てた人を非難しない。代わりに自分たちができることをする。どんな生き物でも命を大事にしたい」。息子の蓮君(11)は「ここに来た犬はみんなおとなしくて優しい。一緒に住めばいい家族になると思う」と笑顔で語った。書類などの審査を終えた後、センターで飼い犬を受け取る予定となっている。
開催について、岡山譲渡センターの山﨑里美店長(43)は「人の都合によって不幸な目に遭った犬を救う手立てもあると、多くの人に知ってもらえたら」と話している。