岡山県津山市の美作大学で11日、現役の小学校校長による講話が開かれ、教員を志す児童学科の3年生約40人が教育現場で必要な心構えや児童や保護者との信頼関係の構築の大切さについて学んだ。
教職員として実践的な力を付けさせようと、津山市教育委員会と同大が連携して展開する「中山間地域教育力向上プログラム」の一環で実施。林田小の松本卓校長(58)が「教育相談」における事例や自身の経験を踏まえて話した。
「教員と保護者のみなさんは子どもを育てるという共通の目標を持つパートナー」とし、打ち解けるためのコミュニケーションの取り方について説明。また「子どもたちは不安を抱えている場合、本音を言葉にしない」と述べ、考えや思いを聞き出すために連絡帳を活用する方法などを教え、最後に「人の嫌な部分や欠点に目を向けがちだが、相手に共感し、見方を変えて良いところを見つけていくと、良好な関係を作っていける」と強調した。
このほか、保護者会や個人面談、家庭訪問を行う際の姿勢についての話もあり、学生たちは静かに耳を傾けていた。小学校教員養成コースの竹村拓海さん(21)は「実習ではわからない具体的な内容を学べてよかった。子どもや保護者たちとの信頼関係をつくるにはまずは、相手を思いやる心が大切と感じた」と語った。