広野小学校の6年生23人が20日、同校(田熊)近くの戦没者慰霊碑前で慰霊祭を行い、遺族らとともに黙とうをささげ、平和への思いを強くした。
広野地区では太平洋戦争で100人以上が亡くなっており、3年前から地域に碑が存在する意味などを学ぼうと平和学習の一環で実施。
市遺族連合会、同校PTAなどを合わせ約40人が出席。広野地区連合町内会長の柿内穂さんが「二度と戦争が起こらないよう、平和学習で学んだことを毎年後輩たちに伝え、優しい日本をつくっていってほしい」とあいさつ。
児童たちは114人の名前が刻まれた慰霊碑に、全校で折った千羽鶴を供え、「折り鶴」を歌い、「平和学習で戦争の恐ろしさ、命の大切さを知った。二度と戦争は起こってはならない」と誓いの言葉を述べた。
英芽唯未さん(11)は「話には聞いていたが、実際には初めて来た。毎日ごはんを食べたりできることに感謝してこれからも生活していきたい」と思いを口にした。
このあと地元遺族の話を聞く学習会もあり、戦争は亡くなった本人だけでなく残された遺族の生活にも大きな影響があるということを児童らは真剣な表情で学んでいた。
遺族会広野地区代表の湯原晴夫さん(78)によると地域の遺族は高齢化し、慰霊祭など行事の継続が危ぶまれている。今後も6年生による慰霊祭を続けて平和への思いを絶やさぬようにしていきたいとしている。