神社の秋祭りシーズンが到来した。今年は新型コロナウイルス感染防止も考えなくてはならない異例の年。各地では、規模を縮小しながらも伝統行事を守っている。
志戸部の八幡神社は11日に開催。みこしが出動し、浦安の舞を奉納した。担ぎ手の男性や舞を担当する児童の思いが強く、実施に踏み切った。参加する世帯には事前にマスクやマウスシールドを配布し、子どもみこしは取り止めた。
疫病平癒などを祈る神事の後、舞が被露され、法被姿の男衆約30人が金色のみこしをかついで出発。「わっしょい、わっしょい」という掛け声を響かせて地区を一巡した。地元の人たちも庭先や道脇から見守っていた。
日下泰洋志戸部町内会長は「何代にもわたって作り替えてきたみこしを見たい住民は多く、快く協力してくれた。無事に行えて良かった」と話した。
鏡野町中谷の中谷神社はみこしを出さなかったが、宵宮の10日夜には、住民らが奉納した灯ろう約200基を参道に並べて参拝者を迎えた。表に書かれた「無病息災」「身体健全」などの言葉が火に照らされて浮かび上がった。本殿では新型コロナウイルスの鎮静などを祈願した。
岡本正英宮司は「みこしがなかったのは残念。ただ、地域と住民の平穏を祈ることができ、祭りの目的は果たせた」としている。
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八幡神社のみこしをマスクなどを着用して担ぐ住民=11日
八幡神社(志戸部)、中谷神社(鏡野町中谷)での秋祭り
- 2020年10月13日
- 祭事・神事・法要