出口剛三さん・稲葉さんは津山の”財産”B’z凱旋コンサート |おかえり稲葉さん2017
「ファンが喜んでくる企画こそが『おもてなし』と信じて取り組んだ」
公演決定を受け、市民の一人として真っ先に手を挙げたのが、銀天街や元魚町商店街でまちづくりに携わってきた出口剛三さん(62)=岡山県津山市安岡町=だった。「盛り上げる会」を立ち上げ、稲葉さんゆかりの品を集めた特別展や記念Tシャツ、ラジオの特番、将来の凱旋(がいせん)コンサートを求める署名、本人への寄せ書きなどを次々に打ち出した。
「展示した学生時代のテニスラケットや定規を見るためだけに来る人もたくさん。チケットが手に入らなかった人も聖地ならではの思い出を作って帰りたかったのだろう」
特別展の会場入り口に置いた来場者の帳簿などには、約800人にも及ぶファンの名前が残る。「今回関わった人は一定の成果を感じたと思う。歴史や文化はもちろん、津山の財産にアーティスト・稲葉さんが加わった気がした」。
B’zを追いかけるファンは全国に60万人以上。今回に限らず日ごろから聖地巡礼に訪れている。出口さんは「大切なのはこれから」と訴える。
「四国霊場巡りでは行く先々で住民のもてなしに触れられ、それが文化になった。我々市民も一体となれば新たに何かを生み出せるはず」。稲葉さんの影響力を肌で感じ、多くのファンと接し、その思いを強くした。