勝央町教委は、同町美野のトヨ免遺跡で行った発掘調査の成果を発表した。弥生時代の竪穴住居跡や古墳時代の箱式石棺墓、土器などが見つかった。
町道・美野小風呂線の工事に伴い、5〜6月の丘陵南斜面に続いて7〜9月に北斜面で実施。丘陵を縦断する形での調査となり、遺跡の広がりなどが明らかになった。
頂上から北斜面の調査区(約400平方?)で行い、弥生時代中期(約2000年前)の竪穴住居跡2軒(直径約4?)を検出し、柱穴と焼土も確認。竪穴住居に伴って弥生土器の壺(つぼ)や甕(かめ)などが出土した。住居からは石材の剥片(はくへん)が出土しているため、石器製作を行っていた可能性がある。段状遺構2基(長さ約4?)も検出した。
さらに古墳時代の箱式石棺墓1基を確認。板石を箱形に並べて棺(ひつぎ)にしたもので、半分は壊れていたが、側壁と小口の3個が残っていた。遺物は無く詳細な時期は不明。
同教委は「丘陵全域に集落が広がることが判明し、当時の生活の様子や集落の広がりを考える上で重要な成果が得られた。引き続き出土品の整理作業を進めることで、遺跡の実態解明につながると考えられる」としている。
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竪穴住居跡と箱式石棺墓(勝央町教委提供)