岡山県勝田郡勝央町ゆかりの翻訳家で没後20年を迎えた額田やえ子(1927〜2002年)らの業績を振り返る企画展「文筆の系譜―綺堂からやえ子へ」が勝間田の勝央美術文学館で開かれ、関連資料が来場者の興味を引いている。29日まで。
やえ子は同町出身の劇作家・額田六福(1890〜1948)の長女で、70年代〜80年代に海外の映画やテレビドラマの日本語吹き替えの台本制作で活躍。
会場には「うちのかみさんがね…」の独創的な言い回しで人気を博した「刑事コロンボ」をはじめ、「刑事コジャック」「シャーロック・ホームズシリーズ」など、せりふの翻訳を手掛けた台本が並ぶ。父の業績をまとめた「六福戯曲集」には、年譜や回想文も添えられて親子の情愛を感じさせる。さらに父が師事した劇作家・岡本綺堂(1872〜1939)から贈られ、親子二代で使い込んだ文机、綺堂が後進育成のため創刊し、六福が受け継いだ雑誌「舞台」などが並ぶ。
同館では「師から弟子、父から娘へと受け継がれた文筆のつながり、芸術的なアテレコで名をはせたやえ子らそれぞれの創作について知ってもらえたら」としている。
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額田やえ子らの関連資料に見入る来場者
勝央美術文学館「文筆の系譜―綺堂からやえ子へ」額田やえ子企画展
- 2022年5月24日
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