岡山県津山市に伝わる民謡と踊りの継承に努める津山情緒保存会の「結成22周年記念発表会」が22日、新魚町のベルフォーレ津山で開かれ、市民ら約500人が華やかなステージに見入った。
会に所属する11団体と指導者ら総勢90人が出演した。演目「津山情緒」では、編み笠を被った着物姿の踊り連が竹製の打楽器「四つ竹」を打ち鳴らしながら登場。「別れともなやお城の松に、藤もからんで花がさく」という伸びやかな歌声に合わせてゆったりと踊った。
この後は各団体が手踊り「津山民謡」や「津山流し」などを発表。最後は総踊りで会場を盛り上げた。観衆は手拍子を打つなどして終始楽しんでいた。このほか美作大学沖縄県人会の演舞や市ゆかりのアーティストらによる演奏も行われた。
6年前に市に引っ越してきたという二宮の看護師・畝岡百重さん(64)は「初めて津山情緒を見た。子どもからお年寄りまでみんなが一緒になって楽しそうに踊っているのがとても良く、自分も参加してみたくなった」と話した。
津山情緒は1929(昭和4)年に作られ、観光宣伝にと芸妓(げいこ)連が東京で公演したのが始まり。時代の流れとともに踊りがすたれていく中、初代会長の故大桑修さんらが同会を立ち上げて再興させた。現在は市内の各イベントで披露され、観光客らの目を楽しませている。
今村正照会長(81)は「若い世代も取り入れて活動を充実させ、市の観光振興にも寄与していきたい」と語っている。