本紙きっかけに地域の絆深まる――。岡山県津山市の国分寺町内会は25、26の両日、新型コロナウイルス感染拡大で入手困難になっている消毒用の次亜塩素酸水を町内約360世帯に配布した。
松永一行町内会長(71)が、次亜塩素酸水の製造を町内の就労継続支援B型事業所・らくがきが行っていると、本紙3月25日掲載の記事を読んで知り、同事業所に相談。同事業所は「地域の役に立てれば」と引き受けた。
配布は密集しないよう町内の11組合で日時を分けて、同所の国分寺公会堂で行った。初日は午前9時から、町内会の役員や事業所関係者、広報活動に尽力した地元消防団員が集合。密集にならない程度に住民が訪れ、持参したペットボトルに500ミリリットルを詰めると「暗い場所にしまっておいて」と管理方法を聞き、持ち帰った。同所の櫻井美代子さん(84)は「この大変な時期にとてもありがたい。食事をするテーブルを拭くときなどに使い、清潔にしておきたい」と話していた。
「少しでも地域の方々の不安を取り除けるお手伝いになればありがたい」と同事業所の管理者・平尾奈津子さん。松永会長は「皆さん喜んでもらえてよかった。市内で陽性になった人が2人出ており、予断を許さない事態だが、町内からは1人も感染者を出さないよう、今後も皆で気をつけて行きたい」としている。
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持参のペットボトルに次亜塩素酸水を注ぐ親子連れ
国分寺町内会、消毒用の次亜塩素酸水を360世帯へ配布/岡山・津山市
- 2020年4月27日
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