B’zの稲葉浩志さんが8月13日、14日に故郷・津山で行ったソロライブでは、会場周辺を含め、2日間で約1万6000人が全国から集まり、街は熱気に包まれた。
昨年12月、夢の凱旋(がいせん)ライブの開催が発表されてから、ファンをもてなそうと市内では有志が集い「おもてなしプロジェクト」が立ち上げられ、マップ作りや会場の飲食ブース、ステージイベントが計画された。
市内外からはボランティアも協力し、市内観光をサポートしたほか、「カラオケ歌うま決定戦」などを開催し、2日間を盛り上げた。
商店街では貴重なグッズ品を展示する企画やファンによる作品展、フォトスポットの設置などの他、市内各所で多くのファンが楽しむ企画が準備された。
稲葉さんのライブでは、14日に会場となった津山文化センターの扉が開かれ、外に集まったファンにも歌声が届けられるというサプライズがあり、会場内外で歓声があがった。
この演出は2017年に行われたB’zの津山公演で会場の扉を開け、「ultra soul(ウルトラソウル)」が熱唱されたシーンを彷彿とさせ、多くのファンの心に深く刻まれる出来事となった。
稲葉さんのサポートメンバーはSNS等で、川崎の八幡神社やイナバ化粧品店を訪れたことや、早朝に散歩を楽しんだというエピソードを明かし、ファンの間で話題になった。
お盆の時期、故郷に帰ることは「帰省」と言われるものだが、稲葉さんの場合は「凱旋」となる。
しかも、街をあげての歓迎が企画され、当日が近づくとカウントダウンまで始まる。これは、稲葉さんが「只者」ではない証である。
B’zファンでおもてなしイベントの司会として参加したハロー植田さんは「想像以上の来場者で会場は熱気に満ち溢れ、最高の2日間になった。このような機会をいただき、みなさまに『ARIGATO』とお礼を伝えたい」と話した。
プライベートで津山に来たB’zファンの男性アナウンサーは「チケットは無かったが、仕事終わりに飛行機の空席が1席だけあった。もう居ても立っても居られなくなり、飛び乗った。朝4時には帰る」と話した。
どうやらファンも「只者」ではない者ぞろい。
ライブに参加した稲葉さんを音楽の道に誘った親友で高校時代のバンド(ICBM)仲間である頼経英博さん(60)は「還暦を迎えましたが、活力をもらいました。『高校の時から歌い始めて』と本人が言った時に誘って良かったなと改めて思いました。音楽を通じて稲葉君と出会った事を誇りに思います」とコメントを寄せた。
稲葉さんは、ライブの中で「また、津山に帰ってくるわ」とファンに呼びかけ、会場を後にした。
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