福運を授ける神として、全国に崇敬者をもっている大津神社=岡山県真庭市余野下=付近の目木川で31日、頭に鉢巻きを巻いた氏子らが「水ごり」をし、冷たい清流で身を清めて新年を迎えた。
午後11時半ごろ、禰宜(ねぎ)の笹井昭昌さん(52)を先導に、15歳から68歳までの男性18人が川へ入り、澄んだ水の中に身を沈めた。この時の気温は6度。雨天の中、みな雨粒に打たれながらも手を合わせて一心不乱に祈祷し、川沿いに集まった地域住民らがその姿を静かに見守っていた。
今回初めて参加したという高校1年・笹井太晴さん(15)=真庭市余野下=は「水の中に入った直後は冷たさを感じたけど、だんだん慣れていき、出たときはさっぱりした気分になった。コロナ禍は参加できずにいたが、今回は臨めてよかった」と話していた。
同神社は、天の岩戸伝説で知られる天手力男之命を主祭神としており、1350(正平4)年に長野県の信州戸隠神社から分霊を奉祀(ほうし)したと伝えられている。当初は別の場所にあったが、本殿が建立された1698(元禄11)年に現在の地に移ったといわれ、社叢(しゃそう)は天然記念物として同市の文化財の指定を受けている。