岡山県津山市の作楽神社で3日、隠岐に流される後鳥羽上皇(1180~1239)のお供をし、この地で病没した寵妃(ちょうひ)にちなんだ「女院祭」が開かれ、女院の慰霊とともに女性たちの健康と安全を祈願した。
同神社敬神婦人会(小澤縫子会長)が主催する恒例行事で会員ら約40人が参加。神事に先立ち、参列者たちは駐車場わきにある女院塚に訪れて菓子などを供えて御霊を供養した。拝殿では小坂博通宮司が祝詞を奏上し、小澤会長らが玉ぐしを捧げた。
続いて院庄公民館講座の詩吟会や、ソプラノ・大島良子さん=弥生町=とピアニスト・先本潤子さん=高野本郷=が吟詠と歌を奉納した。このうち大島さんは神社の祭神・児島高徳公にちなんだ唱歌と、津山藩医・箕作阮甫の来孫にあたる音楽家・栃内まゆみさん(作曲家・箕作秋吉さんの孫)が作曲した「田の神」などを披露。参加者たちは伸びやかな歌声に耳を傾け、同神社にまつわる歴史に思いをはせた。
女院塚は、1221年の承久の乱で敗北した上皇が隠岐に流される途中、病気で亡くなった寵妃を同所から500メートル北東の場所に埋葬。「女院ぐろ」として田んぼの中にあったが、1996年に碑が建てられ、2002年に現在の場所に移して祭られている。
